【第4回】:法的要求事項の調査と対応


ISO14001において、「法的及びその他の要求事項」の特定と対応は、審査で最も注目されるポイントの一つです。このプロセスにおいて、行政書士は強力なサポーターとなります。

今回は、環境関連法令の調査方法から、法的リスクの低減、さらに法令の改正情報の管理までを解説します。

■ 環境関連法令の調査方法 ~どうやって調べる?~

企業活動に適用される環境法令は多岐にわたります。以下のような手順で調査を進めます。

1. 業種・業態の把握

  • まず、対象企業の業種、事業内容、使用設備、排出物などを把握します。
  • 例:印刷業、建設業、製造業、運送業 など

2. 関連法令の抽出

主な環境関連法令は以下の通りです。

法令名主な規制内容
廃棄物処理法廃棄物の分別、処理、マニフェスト管理
水質汚濁防止法排水基準、排水設備の管理
大気汚染防止法有害物質排出、ばい煙、VOC等の規制
騒音規制法/振動規制法工場や建設現場の騒音管理
化管法(PRTR法)有害物質の排出・移動量の届出
土壌汚染対策法有害物質の漏洩管理・土地汚染防止

3. 公的データベース・通知の活用

※行政書士は、これらの調査に精通しており、実際の許認可の現場で得た経験を活かした法令対応が可能です。

■ 行政書士が法的リスクをどう低減するか

企業にとって「知らなかった」では済まされない法令違反。行政書士の関与により、次のようなリスクを軽減できます。

① 見落としのない法令リスト作成

  • 「包括的かつ実際の事業に即したリスト」を作成し、文書管理システムに組み込みます。

② 法的義務と任意規制の区別

  • 審査対応では「法的義務」と「自主基準(業界ガイドライン等)」を整理して示す必要があります。

③ 許認可の状況確認と助言

  • 必要な許可(例:産業廃棄物収集運搬業許可)が取得されているかを確認し、更新漏れを防ぎます。

④ 文書作成支援

  • 環境関連の社内ルール、規程、管理マニュアルなどの整備をサポートします。

■ 法令の更新・改正情報の管理方法

ISO14001では「法的要求事項の変更を常に把握し、対応する体制」を求めています。

【実務対応例】

方法内容備考
官報・e-Govの定期チェック新旧対照表などで改正点を確認行政書士の定期報告サービスが有効
業界団体の情報収集ガイドラインや解釈通知も入手可能中小企業にとっては貴重な情報源
変更点の社内通知担当部署に改正概要を通知、必要に応じて研修WordまたはPDFによる配布が一般的
文書の定期見直し手順書、環境マニュアルを定期的に更新ISOの内部監査でも確認対象

行政書士であれば、「情報収集+社内運用への反映」まで一括で支援可能です。

■ まとめ:法令対応こそ行政書士の専門領域

ISO14001では、環境側面だけでなく法令への対応が制度の柱です。行政書士の法律知識と書類作成力を活かすことで、企業の環境リスクと審査リスクを大幅に軽減できます。

ISO14001の運用において、法令調査や文書整備は手間と専門知識を要する作業です。現場の担当者が本業と並行してこれらをこなすのは、決して容易ではありません。

行政書士がコンサルタントとして関与し、必要な調査・法令対応・文書作成を一括支援することで、担当者の負担を大幅に軽減できます。

行政書士事務所リーフでは、ISO14001の新規構築だけでなく、ISO14001担当者、環境管理責任者および事務局の大変をお引き受けいたします。

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