【第3回】まずは現状把握!環境側面の洗い出しと分析


ISO14001を導入するにあたり、最初にして最も重要なステップの一つが「環境側面の洗い出しと評価」です。行政書士として環境関連法令を熟知している立場から、このステップでの支援が特に効果を発揮します。

■ 環境側面とは?環境影響との違い

環境側面とは、企業の活動、製品、サービスが環境と相互作用する「きっかけ」です。
一方、環境影響は、その側面が引き起こす結果のことを指します。

たとえば:

  • 側面:印刷業で使用するインクの保管
  • 影響:インク漏れによる土壌汚染の可能性

ISO14001では、**著しい環境側面(Significant Environmental Aspects)**を特定し、それに対して管理策を講じることが求められます。

■ 環境側面・影響の洗い出し方法

  1. 業務フローを可視化
    • 工程ごとに作業内容を一覧化し、設備や使用物質を洗い出します。
  2. インプット・アウトプットの整理
    • 資源投入(エネルギー、水、原材料)
    • 排出物(廃棄物、排水、騒音、CO2など)
  3. 側面・影響のセット化
    • それぞれのインプット/アウトプットに対し「どんな環境影響があるか」を列記

■ 典型的なチェックリストの紹介

チェックリストの一例は以下のようになります:

活動環境側面環境影響管理状況法令該当
印刷作業インク使用揮発性有機化合物(VOC)排出換気装置あり大気汚染防止法
トラック輸送燃料使用CO2排出定期整備実施省エネ法
廃棄物処理紙くず排出資源浪費分別収集廃棄物処理法

行政書士として、**「法令該当欄」**の正確な記載をサポートできることが強みです。

■ 実務での分析支援のポイント

  1. 現場とのコミュニケーション
    • 実際の作業を確認し、机上で見落とされがちな側面も拾い上げます。
  2. 法的リスクの明確化
    • 環境関連法令の適用有無を判定し、遵法状況を整理します。
  3. 優先順位の設定
    • リスクが高い、法的義務がある、ステークホルダーへの影響が大きい側面を「著しい側面」として分類
  4. 改善提案まで行う
    • 「洗い出し」で終わらず、管理手順の整備や運用マニュアル作成まで含めて支援します。

■ まとめ:洗い出しこそが全体の基礎

環境側面の分析は、まさにISO14001の「土台」です。ここをしっかり行うことで、後の運用・審査・改善まで一貫性あるマネジメントが可能となります。

行政書士として、法的視点と文書整備力を活かして、貴社の環境マネジメントの基礎固めを全力でサポートいたします。

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